《蠍火の月》――砂に呼ばれた者――

グレイ印 orgnoid

【オルゴノイドペンダント】 オルゴナイトにカラーセラピーとパワーストーンの振動、波動に加え、 レイキエナジーや夜光にもこだわり創り続けています。 この世界で 活き活きと本来の自分の姿で 光輝けるお手伝いができる道具となりますよう。 オルゴナイトの不思議な安心感と魅力で愛と喜びの循環、拡散を より多くの方々にご提供できるよう努めたいと思っております。


《蠍火の月》――砂に呼ばれた者―― 

 

旅人が砂漠へ足を踏み入れて、どれほどの時が経っただろう。

 陽炎と静寂のあいだを彷徨ううちに、空の青さは音を失い、 砂丘の影が夜より深く沈んでいった。


 そのとき―― 微かに砂を歩くような“何か”の気配を感じた。

 振り返った旅人の前に、黒い影が静かに立っていた。


 旅人より少し低い背丈の女であった。

 風に揺れる長い外套。

 裾には、金色の砂が薄くまとわりついている。 

 そして女の肩には―― 大きな蠍が、まるで影の一部のように乗っていた。

 蠍は外套の影から旅人をじっと見つめ、尾の先を揺らしていた。


 女は無表情に口を開いた。

 「迷ったのではないわね?」

 女の瞳は、旅人の 過去・痛み・願い を一瞬で読み解く “砂漠の眼” をしていた。


 旅人は語った。

 白い王が眠る失われた都を目指していること。 

そこには魂の声が届く泉があるということを。


 女は驚かず、静かに砂へ腰を下ろし、 外套の隙間から古びたカード束を取り出した。 

 旅人も砂へ座る。 

その瞬間、蠍が尻尾を震わせ、旅人の影をなぞった。

 蠍は、旅人の影を “見極めて” いる様子た。 


 「影を越えられる者だけが、境界を越える。」 

女は一枚のカードを引いた。 

「あなたが歩いてきたのは――喪失の砂。 あなたが向かうのは――決意の火。」

 カードを表に返す。


 ――《THE SUN(太陽)》。

 胸の奥に熱が灯った瞬間、女は迷いなくそのカードを空へ放った。


 風が触れた途端、空気そのものが燃え移るように赤い炎がふわりと立ち上がる。 

まるでマジックショーでも見ているかのように幻想的な光景が旅人の目の前に広がった。


 呆然としているように見つめる旅人に、女は微笑み囁いた。

 「未来は“読み解くもの”ではない――」

 次の瞬間、蠍の尾が旅人の手に静かに触れた。 

熱が走る。 

それは大地の“熱”が “生きる力” へと変わる蠍火の魔法。

 熱は全身に広がり、 砂の乾きさえ、歩く力へと変換されていく。

 女は立ち上がり、砂漠の夜空を指す。 

そこには――赤い三日月が浮かんでいた。


 砂漠の夜を裂き、未来を照らす “境界の光”。 

 「大きな転機の時を三日月も赤く染まり、味方についた―――

道はもう開いている。その都は幻ではない。呼ばれているのだ。」


 蠍が女の肩に戻ると、風が一度だけ強く吹いた。

 「その風の主が案内する―――」 

そう言い終わるか、瞬きの一瞬――

女も、蠍も、燃えたカードの灰すらも消えていた。


 残されたのは、 旅人の皮膚の下で脈打つ“蠍火”と、砂の底から伝わる微かな震えだけ。 

旅人は立ち上がった。

 白い王の都へ。 

魂の泉。失われた願いの果てへ。 

そして、まだ見ぬ未来へ。 




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